歯科とレーザーの関係は、1964年にSternと Sognnaes により、ルビーレーザーをエナメル質と象牙質の蒸散に初めて用いた時にさかのぼる。それから4半世紀後の1989年、日本レーザー歯学会は大阪で産声をあげた。最初は日本レーザー歯学研究会でスタートし、第3回まで研究会で第4回から正式に日本レーザー歯学会を標榜した。
第1回日本レーザー歯学研究会は大阪歯科大学の藤井弁次教授が大会長、熊崎 護先生が準備委員長を務められ、1989年の12月9日、10日に大阪歯科 大学講堂で開催された(表1)。当時の記録をみると一般会員195名、賛助会員3社であった。その後、第2回を東京(山本 肇教授)、第3回を福岡(森岡俊夫教授)で開催した。上述のごとく、1992年、名称を日本レーザー歯学会と改め、第4回学術大会を東北大学の神山紀久男教授を大会長に仙台で開催した。その後、順調に発展し、第5回は東京(松本光吉教授)、第6回名古屋(深谷昌彦教授)、第7回大分(清水正嗣教授)、第8回新潟(草刈 玄教授)、第9回大阪(熊崎 護先生)、第10回東京(斎藤 毅教授)、第11回東京(田上順次教授)、第12回浜松(橋本賢二教授)、第13回郡山(嶋倉道郎教授)、第14回横浜(石川 烈教授)、第15回名古屋(吉田憲司教授)、第16回千葉(平井義人教授)、第17回新潟(加藤喜郎教授)、第18回千葉(安孫子宜光教授)、第19回横浜(新井 髙教授)で開催され、第20回は大阪の吹田(粟津邦男教授)で総会・学術大会ならびに学会設立20周年記念大会が開催された。それ以降、第21回福岡(南里嶽仁先生)、第22回名古屋(千田 彰教授)、第23回大阪(神原正樹教授)、第24回神戸(古森孝英教授)、第25回東京(津田忠政先生)、第26回大宮(横瀬敏志教授)、第27回札幌(斎藤隆史教授)、第28回名古屋(吉成伸夫教授)、第29回新潟(新海航一教授)で開催された。今後は第30回東京(沼部幸博教授)、第31回大阪(山本一世教授)の順に開催が予定されている。
歴代の代表幹事、理事長は表2のごとくである。初代は東京医科歯科大学元学長で名誉教授の山本 肇先生が1989年12月から1990年3月までを務められた。2代目は九州大学名誉教授の森岡俊夫先生、3代目は東北大学名誉教授神山紀久男先生、4代目は大阪歯科大学の熊崎 護先生、5代目は新潟大学の草刈 玄教授が就任した。しかし、先生は残念なことに2000年の3月にご逝去された。その後を引き継ぎ、熊崎先生が2002年3月まで再び理事長に就任した。2002年4月からは石川 烈教授が理事長に就任し、2005年4月からは橋本賢二教授が理事長に就任し、2007年4月からは平井義人教授が理事長に就任し、2009年4月からは吉田憲司教授が理事長に就任し、2013年4月からは渡辺 久先生が理事長に就任し、2017年6月からは冨士谷盛興先生が理事長に就任し現在に至っている。会員数は当初の195人から900人を超えるまでになっている。
学会発展史の中で、特記すべきは2002年7月に第8回国際レーザー歯学会(ISLD)を石川 烈教授が大会長を務め、パシフィコ横浜で開催したことである。25の国と地域から700人を超える参加者があり、レーザー歯学の進歩と発展を実感した大会であった。ISLDは日本レーザー歯学研究会が設立される以前の1989年12月に第1回大会を前出の山本 肇先生が大会長で東京で開催された。それ以後2年おきに開催され、2006年に World Federation for Laser Dentistry(WFLD)に改称した。2016年には名古屋にて開催され、2020年はドバイにて開催された。
年度 | 優秀発表賞 ※*=最優秀発表賞 |
学術奨励賞 ※2013年より新設 |
優秀症例報告賞 ※2022年より新設 |
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2004年 | 浜島進(日大松戸) 鈴木貴規(日歯大) 津田忠政(東京) |
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2005年 | 播磨貴裕(広島大) 峯篤史(岡山大) 南里嶽仁(福岡県) |
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2006年 | 丸山裕昭(医科歯科大) 岡田慶子(日大) 三枝英敏(医科歯科大) |
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2007年 | 高崎アリステオ淳志(医科歯科大) 渡辺聡(医科歯科大) 内園岳志(大阪大) |
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2008年 | 興雄司(九州大) N.J.Pongnarisorn(医科歯科大) 吉野敏明(医科歯科大) |
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2009年 | 葛西惇士(金沢大) 石井克典(大阪大) 吉嶺嘉人(九州大) |
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2010年 | 山口博康(鶴見大) 谷口陽一(医科歯科大) 大澤数洋(愛院大) |
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2011年 | 坪川正樹(医科歯科大) 横瀬敏志(奥羽大) 藤村岳樹(愛院大) |
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2012年 | 大久保美佐(日歯大) 浅井知子(神戸大) |
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2013年 | 北哲也(大阪大) 佐竹和久(医科歯科大) |
松本妃可(九州大) | |
2014年 | 本津茂樹(近畿大) 國松亮(広島大) |
江尻健一郎(医科歯科大) | |
2015年 | 飯嶋雅弘(北医大) 鈴木瑛子(明海大) 木原智子(九州大) |
谷口陽一(医科歯科大) | |
2016年 | 杉田好彦(愛院大) 小林一行(鶴見大) 小峯千明(日大松戸) |
澤辺正規(医科歯科大) 藤村岳樹(愛院大) |
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2017年 | 岡本基岐(大阪大) 山崎涼子(明海大) 磯村まどか(愛院大) |
佐々木康行(愛院大) | |
2018年 | 杉田好彦(愛院大) 高野晃(医科歯科大) 丹羽堯彦(鶴見大) |
郡司秀美(広島大) 三上理沙子(医科歯科大) |
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2019年 | 杉田好彦(愛院大) 平井千香子(大歯大) 田中健司(大阪府) 五十嵐(武内)寛子(日歯大) 横田啓太(大歯大) |
大杉勇人(医科歯科大) 竹口あゆみ(愛院大) |
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2020年 | 磯英介(明海大) 北中祐太郎(医科歯科大) 新見ひろみ(医科歯科大) 井上和穂(愛院大) 白川哲(鶴見大) |
川村梨恵(医科歯科大) 高野晃(医科歯科大) |
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2021年 | 大杉勇人(医科歯科大) 小川明敬(愛院大) 齋藤仁志(日歯大) 杉田好彦(愛院大) 服部剛大(愛院大) |
新見ひろみ(医科歯科大) | |
2022年 | 蔡期勛(北医大) 坂田修三(広島大) 下平剛(医科歯科大) 田端倫子(医科歯科大) 中谷文香(広島大) |
受賞者なし | 川名部大 (東京都) |
2023年 | *Yadanar Aung Myint Phu (医科歯科大) 田中佐織(北大) 林桜(医科歯科大) 宮田和樹(医科歯科大) 両角俊哉(日歯大・新潟生命歯) |
受賞者なし | 野上琴代 (松歯大) |
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