理事長ご挨拶

ご挨拶

ニューノーマルにおける日本レーザー歯学会

日本レーザー歯学会理事長 吉成 伸夫

一般社団法人日本レーザー歯学会
理事長 吉成 伸夫

 2021年6月21日から一般社団法人日本レーザー歯学会理事長を務めさせていただくことになりました松本歯科大学の吉成伸夫です。どうぞよろしくお願いいたします。浅学寡聞の身ではございますが、この2年間、誠心誠意、日本レーザー歯学会(以下、本会)のさらなる発展のために全力で取り組みたいと思っております。就任にあたり本会の紹介を兼ねてご挨拶申し上げます。

 本会は、1989年(平成元年)12月、大阪歯科大学にて第1回日本レーザー歯学研究会が開催され、一般会員195名、賛助会員3社にてスタートしました。当初は日本レーザー歯学研究会の名称でしたが、1992年の第4回大会から正式に日本レーザー歯学会を標榜しました。2007年には日本歯科医学会認定分科会に加入が認められ、順調に発展し、2013年には法人格を取得、一般社団法人日本レーザー歯学会となりました。そして、2017年4月1日より日本歯科医学会専門分科会に昇格しております。会員は、正会員、準会員、学生会員、賛助会員、購読会員から構成されており、現在854名です。

 本会のミッションは、レーザーに関連する学際領域とともにレーザー歯学の進歩発展を図り、もって国民に良質、かつ安心・安全な歯科医療を提供することにあります。本会が日本歯科医学会分科会会員になることにより提出可能となった医療技術提案書から保険収載されたレーザー歯科治療は、2008年にう蝕歯無痛的窩洞形成加算/手術時歯根面レーザー応用加算、2018年に収載された軟組織への応用関連の4項目を合わせ6項目となっています。

 また、国民に身近で良質、かつ安心・安全なレーザー歯科治療が提供されるために、会員には安全基準や障害防止対策に関する厳格なルール、学術活動におけるCOIの明確な提示と研究倫理に則った法令・倫理の遵守を求めています。

 上記のコンプライアンスを徹底し、レーザー歯科治療の普及と会員の技量向上のため、認定講習会、安全講習会、教育研修会を通じ、認定医・専門医制度を充実させ、認定医、専門医、指導医、及び指定研修施設の認証を行っています。今後は学生教育、臨床研修歯科医にも声かけを行い、若手会員の増加に取り組むと同時に、日本歯科専門医機構と連携し、認定医・専門医の研修プログラムの確立、さらには診療ガイドラインの構築も手掛けたいと思います。

 本会は、「レーザー」というキーワードの下に集結した歯科全般にわたる非常に学際的なスペシャリスト集団です。また、多くのレーザー機器関連メーカーの方々も本会の会員として発展に協力していただいております。このようなすばらしい人材が揃っていることがレーザー歯学会の強みです。今後、歯科医療の中でレーザー機器による治療はますます適応範囲を広げ、重要な役目を果たすことになることは自明の理です。学会主導研究を含め、保険収載を指向した新規技術、ならびに光の特性を活かしたレーザー照射療法を展開できるようエビデンス構築を図ってゆきたいと考えています。

 現在の新型コロナウイルス感染拡大は、3密回避、ソーシャルディスタンス、リモートワーク等、われわれの社会生活を一変させました。本会学術大会をはじめ多数の学術集会が延期や開催様式の変更を余儀なくされました。しかし、これを機に学術大会、教育研修会、認定医試験の在り方を見直して、With/Postコロナ時代のニューノーマルに適応していく必要があろうかと思います。

 今後も会員皆さまからのご意見、ご要望や社会からの期待に応えて本会の使命達成に向け、またよりよい学会となるよう、鋭意邁進してゆく所存です。皆様のご協力、ご指導を何卒よろしくお願い申し上げます。